現在主流のリチウムイオン電池に変わる次世代型蓄電池として、半固体電池が登場しています。半固体電池とはどのようなものなのか、長所や課題、全固体電池との違いについて、わかりやすく解説します。
電池の種類はどうやって決まるのか
そもそも、電池の基本的な構造として、正極(プラス)、負極(マイナス)、その間の電解質という3つの要素で構成されています。これらにそれぞれどのような材料を用いるかによって、電池の特徴が異なります。例えば、スマートフォンやモバイルバッテリーなどに多く使われているリチウムイオン電池(LIB)は、プラスにはリチウム化合物、マイナスには黒鉛(グラファイト)などの炭素系材料、電解質には有機溶媒にリチウム塩を溶かした液体が使用されています。有機溶媒は灯油と同じ可燃性であるため、電解液の容量が1,000リットル以上のLIBは、消防法上の危険物とされます。
半固体電池とは
半固体電池とは、リチウムイオン電解液に酸化物系の固体電解質を混ぜたゲル状の電解質を使った電池のことです。現在、半固体電池によるモバイルバッテリーの場合、強い衝撃が加わって内部が過熱しても、ゲル状の電解質がバリアとなって異常が全体に広がるのを防ぐことができます。そのため、LIBより安全性が高いというメリットがあるとされています。
全固体電池の実用化までの“つなぎ役”としてニーズが高まる
衝撃が加わっても異常過熱が拡大しにくいという利点から、半固体電池のニーズは今後ますます高まると考えられています。半固体電池は、前述した通り、モバイルバッテリーなどの民生用の用途の他、一部の電気自動車(EV)の駆動用バッテリーとしても活用が始まっています。
その一方で、電解質がすべて固体の全固体電池は、半固体電池よりさらに安全性が高く、エネルギー密度が高いという強みがあります。しかし、生産コストや繰り返しの利用による耐久性の向上が課題であり、商用化に向けた取り組みは道半ばです。国は、蓄電池に関する産業戦略を策定し、商用化を後押ししています。LIBから全固体電池の進化の過程の“つなぎ役”としても、半固体電池のニーズがさらに拡大すると予想されています。
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