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2023年度から導入のレベニューキャップ制度とは? 新たな託送料金も解説

2023年4月から、新たにレベニューキャップ制度が導入されることによって、託送料金の改訂が予定されています。託送料金とは、電気料金を構成する要素の1つで、送配電網の利用料に相当します。今回は、レベニューキャップ制度とは何か、新たな託送料金はいくらになるのか、九州電力の事例を解説します。

レベニューキャップ制度とは

レベニューキャップ制度とは、一般送配電事業者(九州電力送配電など)があらかじめ事業計画に必要な費用を見積もり、収入の上限を国が承認することで、その範囲内で柔軟に託送料金を設定するという新しい制度です。ちなみに、レベニューキャップとは日本語で「収入上限」という意味です。

送配電分野への必要な投資を確保するとともに、コスト効率化を図ることを目指しています。一般送配電事業者の事業計画は、国が5年ごとに審査、承認して、事業の効率化を定期的に確認する仕組みになっています。レベニューキャップ制度は2023年度から全国で導入されることが決定しています。

一般送配電事業者のコスト効率化などを促す

レベニューキャップ制度が導入されると、一般送配電事業者の企業努力によって費用を削減した分は、自社の利益になります。そのため、コスト効率化を促すことができると期待されています。また、5年ごとに事業計画を見直すため、そのときどきに必要な費用を事業計画に盛り込みやすくなります。そのため、一般送配電事業者が設備投資などの計画を立てやすくなるメリットもあるのです。

制度導入によって託送料金が一斉値上げ

レベニューキャップ制度が導入されることによる需要家への影響としては、託送料金の値上げがあります。これは、電気料金メニューの値上げを行わない九州電力・関西電力エリアでも同様です。九州電力送配電によると、新たな託送料金の平均単価(税別)は下表の通りです。

(見直し前後の託送料金平均単価(税抜)。出典:九州電力送配電株式会社

このように、低圧から特別高圧まですべての電圧において託送料金が値上げされ、特に高圧における値上げ率がもっとも高くなっています。なお、個別の電気料金メニューにおける託送料金単価については、こちらのリンクをご参照ください。(リンク:九州電力送配電株式会社『認可を受けた託送料金等の単価』)

近年の世界情勢を受けて燃料費調整額が上がっていますが、それに加えてレベニューキャップ制度によって託送料金も値上げされるため、需要家にとっては電気料金の負担が重くのしかかっています。非常に厳しい状況が続きますが、省エネに積極的に取り組むなどの工夫を通して、この難局を一緒に乗り切っていきましょう。

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