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ペロブスカイト太陽電池とは何か。実用化に向けての課題は?

新しい太陽電池として注目される「ペロブスカイト太陽電池」。これはいったいどのような太陽電池なのでしょうか? 今回は、ペロブスカイト太陽電池とは何か、実用化に向けてどういった課題があるのかについてご紹介します。

ペロブスカイト太陽電池とは

そもそも、ペロブスカイトとは「灰チタン石」という鉱物のことです。灰チタン石の結晶構造を「ペロブスカイト構造」と呼びます。しかし、ペロブスカイト構造はさまざまな化学物質を組み合わせることでも作ることができます。そのため現在は、ペロブスカイト構造をもつものを総称して「ペロブスカイト」と呼ぶことが一般的になっています。

こうした構造によって作られるのが、ペロブスカイト太陽電池です。一般的なシリコン系の太陽電池(太陽光パネル)と違って、フィルムなどに塗布したり印刷技術を活用したりして容易に制作することができます。そのため、柔軟性が高く、軽量であることが最大の特徴です。こうした特徴から、都心のビルの壁面など、これまで太陽光パネルの設置が難しかった場所にも設置できるようになると期待されています。

ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた課題

近年、世界中でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究が進められています。開発当初、10数%だった発電効率は、2020年には約25%と飛躍的に向上しました。

しかし、ペロブスカイト太陽電池を実用化するには、発電効率だけでなく、耐久性や量産化するための技術も向上させ、同時に価格を低減しなければなりません。耐久性の向上に関しては、日本の産業技術総合研究所(産総研)が2022年3月、耐久性を低下させる添加剤(ドーパント)を使用しないペロブスカイト太陽電池を開発したと発表しています。

現在、ペロブスカイト太陽電池を建物に設置する実証事業が行われており、こうした実証を通じてさまざまな課題が明らかになっていくでしょう。

ペロブスカイト太陽電池の実証事業

NTTデータと積水化学工業は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物の外壁に設置した実証実験を2023年4月から行うと発表しています。この実証実験の目的は、建物外壁にペロブスカイト太陽電池を設置する際の課題を抽出することです。そこで、まず、積水化学工業の研究所の外壁に試験的に設置し、続いて、都心部にあるNTT品川TWINSデータ棟の外壁に設置して実用性を検証するとしています。


(ペロブスカイト太陽電池の壁面設置イメージ(NEDO提供)。出典:株式会社NTTデータ)

こうした取り組みによって、建物の壁面にペロブスカイト太陽電池を設置できるようになれば、都市における再生可能エネルギーの導入を拡大することにつながるでしょう。というのも、都心部は遊休地が少ないため、従来の太陽光パネルを設置するには建物の屋上などを活用するしかありませんでした。このように、都心部の設置スペースの少なさが太陽光発電を導入するハードルの一つだと考えられてきたのです。

しかし、ペロブスカイト太陽電池が実用化されれば、こうした課題をクリアすることができるでしょう。さまざまな建物の外壁などにペロブスカイト太陽電池が設置されれば、都心においても太陽光発電の導入量を大きく伸ばすことができます。今回の実証実験によって、ペロブスカイト太陽電池の実用化が近づいて来るかもしれません。

(参考:株式会社NTTデータ 国内初、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験開始

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