主任技術者の「2時間ルール」見直し、年度内に詳細検討へ

電気保安を取り巻くさまざまな課題に対処し、より安全で信頼性の高い電気保安を実現するために、電気保安制度全体の見直しが始まっています。今年度は、主に5つのテーマについて検討が重ねられており、主任技術者の「2時間ルール」見直しも含まれるとみられます。

新たな電力ビジネスと電気保安

電気保安をめぐる環境に多くの課題があることは、以前、本ブログでもお伝えした通りです。電気設備の高経年化や人材不足、再生可能エネルギー発電設備の増加は、電気保安にとって大きな課題だといえます。(参考『電気保安の課題解決へ期待集まる「スマート保安」』)

同時に、新しく生まれた電力ビジネスも電気保安に課題を突きつけています。例えば、洋上風力発電のようなこれまでにない発電方式に対して、どのように電気の安全を守っていくかということは新しい課題でしょう。

電気保安制度の見直し、年度内に詳細設計へ

こうした背景から、経済産業省の電気保安制度ワーキンググループでは、電気保安に関する制度の見直し検討を進めてきました。今年秋までに見直しの大枠を決め、2021年度内に詳細の制度設計を固めるとみられます。2021年度の電気保安制度の検討項目として、以下の5つが挙げられました。

保安力評価に応じた規制

高度な保安力を有する設置者に対する規制見直し、小出力発電設備対策

設備事故の教訓を次に繋げるPDCAサイクルの高度化

工事計画届出・事故報告等の対象見直し、保安規程の一部定型化

新技術を見据えた技術基準等の整備

洋上風力、新たな発電方式(水素発電・アンモニア発電等)への対応

電気保安人材不足の解消

主任技術者制度見直し(統括・外部委託承認、資格要件等)、人材確保策

スマート技術の導入支援

スマート保安アクションプランの実践、自家用サイバーセキュリティ対策

スマートキュービクル導入、水力スマート化ガイドライン

(出典:経済産業省 第6回電気保安制度ワーキンググループ・資料1より抜粋)

洋上風力発電などの2時間ルール見直しか

これらの検討項目のうち「4.電気保安人材不足の解消」については、人材不足の対策として「主任技術者制度における2時間ルールの見直し」が挙げられました。

2時間ルールとは、事業所で電気トラブルなどが発生した際、主任技術者は2時間以内に現場に駆けつけなければならないとするものです。電気保安において広く浸透しているルールです。

しかし、この2時間ルールが決められたのは昭和36年、今から60年前のことです。その頃と比べ、通信技術や交通事情が大きく変わっているため、今回、見直しされることになりました。

とはいえ、すべての事業者が2時間ルールの対象外となるわけではなく、洋上風力発電所や山間部の太陽光発電所などを対象に検討されるとみられます。また、遠隔常時監視装置の活用や現場の代理人などの配置についても検討される見通しです。

電気保安制度に関する見直しは、今秋から本格化するとみられます。本ブログでは、これからも制度の見直しの方向性などの重要なトピックスについてご紹介していきたいと思います。ご不明な点やご意見がありましたら、どうぞお気軽にお問合せください!

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