2024年度から始まる発電側課金。発電事業者にも送配電網のコスト負担を求める新たな制度です。どのような発電所が対象になるのか、実際の負担額はどれくらいになるのか、わかりやすく解説します。すべての発電事業者は必見です。
発電側課金とは何か
発電側課金とは、発電事業者が新たに負担することになる送配電網の維持管理コストです。これまで送配電網の維持管理コストは、託送料金として小売電気事業者がすべて負担してきました。託送料金は需要家が支払う電気料金に含まれるため、事実上、需要家が全額負担してきたといってよいでしょう。
しかし、送配電網を利用するのは需要家だけではありません。発電事業者もつくった電気を電力系統に流す際に送配電網を利用します。そこで、小売電気事業者と発電事業者の費用負担を公平にするために、発電側基本料金を導入することになったのです。
発電側課金が導入されると、送配電網の維持管理コストの一部を発電事業者が負担するようになり、小売電気事業者と発電事業者が9:1の割合で送配電網のコストを分け合います。発電側課金の制度は、2024年度から開始されることになっています。
(発電側課金の導入後のイメージ。出典:電力・ガス取引監視等委員会 制度設計専門会合)
発電側課金の対象となる発電所
発電側課金の対象となるのは、住宅用太陽光発電など電力系統への逆潮が10キロワット未満の電源、FIT/FIP制度の調達期間内の電源を除くすべての発電所です。電力系統への逆潮が10キロワットであれば低圧の太陽光発電所なども対象になるため、発電所の所有者は注意が必要です。なお、認定済みのFIT/FIP制度発電所については、調達期間が満了するまでは課金の対象外とされました。
(発電側課金の対象。出典:電力・ガス取引監視等委員会 制度設計専門会合)
発電側課金の負担額はどれくらいになる?
多くの発電所が対象になることから、実際の発電側課金の負担額がいくらになるのか、気になっている方も多いことでしょう。まず、発電側課金は固定料金である「kW課金」と発電量によって変動する「kWh課金」の2つによって構成されます。これは一般的な電気料金と同じ仕組みです。
続いて、注目の発電側課金の負担額ですが、2023年5月時点で、具体的な金額はまだ公表されていません。ですが、過去の検討では、kW課金とkWh課金を合計した年間の負担額を1kWあたり1,800円(月額150円/kW相当)にする考えが示されていました。実際の負担額がどれくらいになるかは、これからの国の検討動向に注目していく必要があります。
(kW課金とkWh課金の比率。出典:電力・ガス取引監視等委員会 制度設計専門会合 ※2023年1月25日開催)
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