トピックス

三次調整力①の要件や機能、取り引き結果の推移を解説

需給調整市場で取り引きされる商品のうち、「三次調整力①」は、比較的参加しやすい要件が設定されており、系統用蓄電池などが多く参加しています。どのような要件が設定されているのか、他の商品とどのような違いがあるのか、わかりやすく解説します。

三次調整力①は応動が緩やかな電源でも参加しやすい

三次調整力①は、十数分から数時間程度の負荷変動である長周期成分に対応し、EDF(Economic Dispatch Control)機能を提供します。これは、電力会社の中央給電指令所が、先行して需要予測に合わせて発電出力を調整し、その後、エリア全体の発電費用が最小となるように、価格が安い調整力から順番に調達するものです。

EDF機能を提供する点は二次調整力②と同様ですが、応動時間と継続時間に違いがあります。二次調整力②は応動時間が5分以内、継続時間が30分以上であるのに対して、三次調整力①は、応動時間が15分以内、継続時間が3時間です。しかし、2026年度から三次調整力①の継続時間が30分に変更される予定であり、主な違いは応動時間になります。このように、三次調整力①は、応動が比較的遅い電源でも参加しやすい商品設計になっています。

なお、二次調整力②についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。(参考:需給調整市場の二次調整力とは? 調整機能の違いを知ろう | トピックス

落札量が募集量に満たない状況が続く

三次調整力①の取引結果の推移。(出典:電力需給調整力取引所)

三次調整力①は、2022年4月から需給調整市場の商品としてラインナップされました。過去の取り引きの推移は上図の通りです。上図では、棒グラフが募集量であるのに対し、折れ線グラフが落札量です。

2024年度は、募集量と落札量の両方が全国的に大きく伸びましたが、それでも落札量が募集量に満たない状況が続いています。特に、東京電力エリアではその傾向が顕著になっています。2025年度の結果が今後どうなるのか、注意してみていきたいと思います。

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