経済産業省は10月31日、低濃度PCBの適切な処理に向けて検討会を立ち上げました。低濃度PCBについては、2027年3月末までに無害化処理事業者への委託手続き、処分が義務付けられています。同検討会では、使用中の機器の扱いについて議論し、早ければ来年3月にも結論を出すとしています。
環境省、27年3月末の期限は延長しない考え
PCBは変圧器やコンデンサなどの絶縁油として使用されていましたが、有害性が判明したことから、順次処分が進められています。高濃度PCBは23年3月末までに処分され、使用中の機器については廃棄物とみなされることが決まっています。しかし、低濃度PCBの含有機器は、処分期限である27年3月末をすぎて使用している場合の取り扱いが決定していません。
そのため、経産省は「低濃度PCB含有電気工作物の適正な処分の推進に向けた検討会」を立ち上げ、低濃度PCBの処分に向けた検討をスタートしました。10月31日に開催された第1回会合では、環境省が27年3月末の処理期限を延長しない方針を明らかにしました。また、使用中の低濃度PCB機器も可能な限り期限内に処分を求めるとしました。
コンデンサ更新時には期限付きの補助制度を要望
これに対して電気保安協会全国連絡会からは、PCB濃度の分析にはコストがかかること、特にコンデンサは本体に穴を開ける必要があり、調査後は機器を更新する必要があることから、設置者にとっての負担が大きいことが説明されました。また、低濃度PCBの処分について、設置者の理解が必ずしも高くないケースが多いと指摘しました。
さらに、全国電気管理技術者協会連合会は、低濃度PCBの処分によって機器の更新が必要になる場合には、補助制度を活用できるような支援を検討してほしいと主張しました。その際、27年3月末という期限を延長しないのであれば、期限付きの補助制度を設けるなどして、処分を促すべきだともしました。
低濃度PCB機器の処分期限までには、あと2年あまりです。限られた期間で処分を進めるには、まず、設置者へ処分の必要性を強く訴えることが重要です。国がわかりやすく周知をするとともに、今後の取り扱いを早急に決定することが望まれます。
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