国は、太陽光発電など再生可能エネルギーの出力制御の順番を変更して、フィード・イン・プレミアム(FIP)発電所の優先度を下げ、原則として対象外とする案を示しました。これに対して、太陽光発電業界からは、「FIT発電所の出力抑制が増加するのではないか」と懸念の声が上がっています。どのような制度変更が検討されているのか、詳しく解説します。
出力制御の順番を変更してFIPを優遇
(FIP制度の更なる促進に向けた政策措置。今般新たに講じる措置(市場統合措置)(案)。出典:資源エネルギー庁)
経済産業省・資源エネルギー庁は8月7日、フィード・イン・プレミアム(FIP)の促進に向けた措置として、再エネ出力制御の順番を変更する案を示しました。FIPとは、再エネ発電所の電気を市場価格にプレミアムを上乗せした価格で買い取る制度で、固定価格買取(FIT)に代わる制度として2022年度に導入されたものです。
変更案では、出力制御の順番をFIT→FIPとし、FIP発電所の優先度を引き下げる考えです。これによって、FIP発電所への出力制御が減り、その反対に、FIT発電所へ優先的に実施されることになります。資源エネルギー庁によると、出力制御が比較的少ないエリアでは、FIP発電所が出力制御の対象外となるケースも起こりうるとしています。
太陽光業界からはFIT発電所の事業リスクに懸念の声
委員会は、この措置を早ければ2026年度中にも実施するとしています。また、FIPへ移行する発電所が、FIT・FIP発電所全体の25%を占めるまでの措置とのことです。
その一方で、太陽光発電協会(JPEA)からは、既存のFIT発電所への出力抑制が増加すると懸念して、事業性が悪化することから反対意見が上がっています。事務局は丁寧に説明して理解を求めるとしているものの、どのような合意点を模索するのか、議論が注目されています。
(参考:資源エネルギー庁 電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第66回))
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