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今夏の電力需給の見通しは? 8〜10月使用分の電気・ガス代に「酷暑乗り切り支援」が再開

経済産業省・資源エネルギー庁は、今夏の電力需給対策について、「安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できていること等を踏まえ、節電要請は実施しない」としています。しかし、7月8日には東京電力エリアで電力需給のひっ迫が起きました。今夏の電力需給対策についてリポートするとともに、電気代の「酷暑乗り切り支援」について解説します。

突然訪れた東京エリアの電力需給ひっ迫

資源エネルギー庁は、今年6月に公表した今夏の電力需給対策で、「全エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通し」としていました。5月29日時点の最小予備率の見通しは、下図の通りです。北海道、東北、東京エリアの予備率は4.1%ですが、全体として3%以上を確保できる見通しとされていました。

(出典:資源エネルギー庁)

しかし、東京電力エリアで7月8日、需要電力に対して供給力の余裕を示す供給予備率が一時3%台にまで低下しました。原因としては、午前中から気温が高く、冷房の利用などによる電力需要が増加したこと、当日の朝から火力発電所の計画外停止が相次ぎ、供給力が不足したことが挙げられています。

その後、東京電力パワーグリッドは、中部電力パワーグリッドから電力融通を受け、企業や家庭に対して節電や電力使用パターンの変更を求めるデマンドレスポンスを実施して、予備率の改善に成功しました。

(参考:東京電力パワーグリッドJEPX 発電情報公開システム

8〜10月使用分の「酷暑乗り切り支援」と省エネの重要性

足元では、全国的に30℃以上の真夏日が連日続いています。九州エリアでは、35℃を超える猛暑日も珍しくありません。急激に気温が上がる日や、湿度の高い日には電力需要が増加しやすいことから、今後も電力需給のひっ迫対策が不可欠です。

こうした背景を受けて、国は8〜10月使用分の電気・ガス代について値引きを行う「酷暑乗り切り支援」の実施を緊急で決定しました。これは、今年5月まで行われていた「電気・ガス価格激変緩和対策」と同じように、低圧・高圧の電気料金および使用量が一定量以下の都市ガスの需要家に対して補助を行うものです。なお、特別高圧受電の需要家は補助の対象外となっています。

それぞれの値引き単価は以下の通り。2024年8・9月分と10月分で単価が異なるため、注意が必要です。など、「酷暑乗り切り支援」を受けるにあたっては、従来の「電気・ガス価格激変緩和対策」と同じく、申し込みなどの手続きは必要ありません。

(出典:資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援

電気代が値上がりする主な要素に、世界的な燃料価格の値動きがあります。「酷暑乗り切り支援」が終了した後も、燃料価格の変動によって電気代が高騰する可能性は十分考えられます。夏季だけでなく、中長期的に省エネの取り組みを継続する重要性が高まっています。

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