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小規模な再エネ発電設備も、新たに保安の対象に! 改正法が22年度中に施行へ

小規模な再生可能エネルギー発電設備も新たに電気保安の対象とする法改正がこのほど、国会で可決・成立しました。これを受け、今年度中にも、改正法が施行されることが明らかになっています。どのような発電設備が新たに保安の対象になるのか、どういった内容が義務化されるのか、わかりやすく解説します。

新たに電気保安の対象となる「小規模事業用電気工作物」とは?

6月15日、電気事業法など複数の法律の一括改正法案が国会で可決・成立しました。今回の法改正では、高圧ガス保安法やガス事業法、情報処理の促進に関する法律なども合わせて改正されることが決定していますが、この記事では、電気保安に関する改正の内容についてピックアップします。

このほど改正された電気事業法では、新たに「小規模事業用電気工作物」という分類を設け、保安を強化することになっています。小規模事業用電気工作物とは、小規模な再生可能エネルギー発電設備を指し、具体的には、10〜50kW未満の太陽光発電設備、20kW未満の風力発電設備が該当します。

(出典:経済産業省 経済産業省 第11回 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ 資料2『小規模事業用電気工作物に係る保安規律の適正化』より抜粋)

実際に、経済産業省によると、小規模な再エネ発電設備の事故は、2021年度速報値で合計201件だとされています。そのうち、194件が太陽光発電設備によるものだったといいます。

どのような保安規制が課せられるのか?

こうした小規模な再エネ発電設備に対し、新たに義務化される規制内容は「(1)技術基準適合維持義務、(2)基礎情報の届出、(3)使用前自己確認」の3点です。具体的な規制内容は、以下の通りです。

(出典:経済産業省 経済産業省 第11回 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ 資料2『小規模事業用電気工作物に係る保安規律の適正化』より抜粋)

さらに、使用前自己確認を行うのは、基礎情報の届出と同様に、発電設備の設置者や設備所有者とされました。ただし、こうした使用前の安全性確認を実施するのは、施工業者やO&M事業者であるケースが多いことから、こうした事業者への外部委託も認められるとされました。

(出典:経済産業省 経済産業省 第11回 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ 資料2『小規模事業用電気工作物に係る保安規律の適正化』より抜粋)

改正法の施行はいつから?

こうした保安に関する改正法については、今後、具体的な制度設計が進められ、2023年3月中に施行する見通しとなっています。

合わせて、今年10月には、使用前自己確認のマニュアルを公表し、施行されるまでの期間、研修などを実施する予定も発表されました。
小規模な再エネ発電設備のオーナーには、企業だけでなく個人も含まれると予想され、法改正前の十分な周知活動が重要になると考えられます。

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