再生可能エネルギーの出力制御が、九州以外のエリアで初めて実施されました。四国、東北に続き中国電力エリアでも始まった出力制御の現状をリポートします。
四国、東北に続き中国エリアへも拡大
九州エリアで太陽光発電所を運用している方にはお馴染みの出力制御ですが、実は、再生可能エネルギーの出力制御はこれまで、九州電力エリアでしか実施されていませんでした。ほかの電力エリアの再生可能エネルギーの導入状況などから、まもなく実施エリアが拡大するという予想でしたが、ついにこの4月、それが現実となりました。
4月9日(土)には、四国エリアで15万kWの出力制御が実施されました。翌10日(日)には、東北エリアで21ヶ所の発電所を対象に11万kWの出力制御が行われています。いずれも、手動で発電所を操作する「オフライン制御」で実施されました。
さらに、一週間後の17日(日)には、中国エリアで47万kWの出力制御が行われました。四国、東北エリアと比べて制御量が大きいことがわかります。
中国電力ネットワークは、事前に開かれた経済産業省の有識者会議において、揚水発電所のトラブルや火力発電所の試運転などにより、4月に出力制御を行う可能性が高まったことを報告していました。
出力制御の実施が週末に多い理由とは?
そもそも、再生可能エネルギーの出力制御とは、電力の需給バランスを保ち、安定的な電力供給のために行われるものです。電力は貯めておくことが難しく、常に需要と供給を一致させなければなりません。供給が多すぎても少なすぎても、安定的に供給することができなくなってしまうのです。
こうした理由から、再生可能エネルギーの出力制御は、電力需要の少ない週末に実施されることが多いと考えられています。工場や事業所などが休みで電力の使用量が少ないにも関わらず、晴天で太陽光が多く発電する場合などは、電力の需要が供給を上回り、出力制御が実施される可能性が高いと言えるでしょう。
今後さらに北海道や中部エリアでも実施か
経済産業省は、昨年末の見通しで北海道、東北、四国、沖縄で出力制御がまもなく実施される可能性が高いとしていました。(参考『出力制御、2022年度から旧ルール500kW未満に「オンライン代理制御」』)
しかし、今回、この予測に含まれていなかった中国エリアでも出力制御が実施されています。また、中部電力パワーグリッドも、4月1日から自社WEBサイトに「再生可能エネルギー出力制御の見通し」の掲載を始め、まもなく出力制御がスタートするのではないかと見る向きもあります。
出力制御の実施拡大の状況については、今後も注視する必要がありそうです。
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